プロフェショナル。いま競馬界に馬券のプロと呼ばれる人は、ごく少数だがいる。
私が師事した、いまは亡きY氏もプロと呼ばれるにふさわしい人物であった。その時代は、枠連・馬連のご時世で、いまほどの多券種ではなかった。
競馬場でY氏といっしょにいると、馬を見る目やレース読みのするどさ、勝負するレースと、しないレースの見きわめる彼の眼力には感服せざるをえなかった。私はY氏の馬券術をそっくり受けついではいるが、時代は変わり、いまはネット競馬のご時世である。
馬券投票システムもコンピュータ化し、ケータイや在宅で馬券が買える時代である。十数年前は考えられないほど、競馬管理システムは進化している。
それに対応するには、ある程度のコンピュータの知識をもっていなければ、数ある馬券種を処理することはできない。だが、いくらハードやソフトの面でシステムは進化しても、競馬という本来のカタチは変わってはいない。
馬券を選ぶのは人間の頭脳である。これを磨かないかぎり馬券のプロにはなれないと私は思っている。