相撲界で名を残す力士には必ず得意の“決め技”がある。勝ったときは大抵そのワザで決着する。馬券のプロも一般の競馬ファンには思いもつかない“決め技”を持っている。
長年の競馬場でのつらい日々から編み出した自分流の馬券術。これぞ決め技と思い込んでいると、やがてはマンネリズムに陥り腕が鈍ってくる。――それはなぜか。競馬の変遷が著しいからである。
競馬は年月も変われば、馬も変わる。厩舎もあたらしい調教法を取り入れる。ベテラン騎手も体力や気力が衰えはじめる。若手騎手の台頭もある。競馬場のダートも芝も年々変わる。このように変遷する競馬に終止符が打てるファクターは存在しない。しかし、どの馬券プロもある時点で線を引かざるをえない。ファクターばかり追いかけていては身がもたないからである。
私が、この変遷するファクターの追っかけに見切りをつけられたのは、その日の、そのレースだけを重視する
RFC競馬に切り替えたからである。