書庫にある競馬本を整理していたら、「ワイド馬券 ―プロが明かす、儲けの手口―」(ぴいぷる社・2000年1月5日 第1刷発行)なる本が出てきた。編者は「流星社」。
この本の冒頭に故・大川慶次郎さんの“遺稿”ともとれる文章が書かれている。大川さんは、知る人ぞ知る“競馬の神様”といわれた競馬人。1999年12月15日、美浦トレセンでの調教取材を終え、その後の会食中に倒れ入院。12月21日、高血圧性脳出血で永眠された。 私は大川さんの人柄が好きだった。彼の馬券哲学は、逝去後に新発売された馬単・3連複・3連単馬券にも“通じるもの”を遺してくれています。この本に書かれた、その“ためになる”箇所を抜粋させていただくと、 「(見出しは)当てやすいは、錯覚かも? 1-2着を当てないと的中ではない、とされた連勝馬券が1-3着や2-3着でも的中ですよ、ということになったのだから、馬券がずいぶん楽になったと考えて、もしそれをナメてかかるようなファンがいたら今から警告しておきます。「やはり今度は1-4着や2-4着ばかりで泣くことになりますよ」と。 ことに「1-3着や2-3着でも的中ということにしてくれるなら、いっそのこと3点狙いで3点とも当ててやろうじゃないか」という考えで、その順番はともかく、1~3着を占めるであろう馬を3頭選び、安易に3角買いをしようとしている人は危険信号です。 当たり前のことですが、狙った3頭のうち1頭が消えれば3点どころか1点しか的中しないし、2頭消えればその瞬間にすべてがゼロに帰してしまう。もともと的中確率が3倍になったといっても、どのフォーカスも的中する可能性がイーブンだったとしてフルゲート18頭で153分の1が153分の3、つまり51分の1になったに過ぎないのです。これならまだ枠連の36分の1のほうが的中確率はずっと高い。 つまり表面的な印象とは裏腹に、ワイドは数学的にいってそれほど当てやすい馬券じゃないのです。もっとも9頭と10頭立てとかだと話は別ですが、逆に配当的なメリットが伴ってこない。世の中それほど甘くないのですね。」(中略) 大川さんは、あくまでワイド馬券は馬連の延長、あるいは敗者復活馬券、悪くいえばオマケといった考え方でいいとまで言っている。そして、ワイドも馬連馬券である以上、理想は「1点狙い」。馬連を1点で狙って、同じフォーカスをワイドでおさえる。さらに、続きます… 「(中略)……もともと私は1、2着が逆になっても(◎→〇ではなく〇→◎でも)的中とする現行の馬連に対してすら批判的な人間なのです。究極的には、競馬の予想は「馬単」を的中させるつもりで行われなければ正しくない、と思っています。(後略)」 いかがですか。大川さんが亡くなられたあとの新しい馬券。もし、いまもお元気でしたら、この3種類の馬券にどんなコメントをされるだろうか。 競馬評論家の大川智絵さんは長女。数年前まで有料競馬予想サイトを立ち上げていましたが、その後は、どのような活躍をされているのでしょうか。 (資料:ウィキペディア)
by alleysan
| 2006-10-17 21:02
| 競馬
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